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ロレックスのあらゆるモデルの中でも、サブマリーナ・デイトナと並ぶ人気を誇るエクスプローラー1。さて、そんなエクスプローラー1だが一部では「ダサい」「格好悪い」などの声も聞かれる。果たして本当にエクスプローラー1はダサいのだろうか。そして、ロレックスの他のモデルと比較して「買い」のモデルなのだろうか。
エクスプローラー1は「ダサい」のか?

エクスプローラー1 Ref.114270
結論から言うと、エクスプローラー1はダサいどころか、市場の高評価の方が圧倒的に多い。そして、間違いなく今が「買い」のモデルだ。
腕時計趣味歴7年の筆者は、今年ようやくエクスプローラー1(Ref.114270)を入手した。
これまでオメガやIWC、アンティークの国産腕時計を中心に所有してきたが、スポーツロレックスはなんとなく嫌味っぽさを感じ避けてきた。しかし、いざエクスプローラー1を手に取ってみると、そんな偏見も吹き飛ぶほどに素晴らしいモデルだったのだ(やはり一度はスポーツロレックスを通るべきなのかもしれない…)。
1:時計としての美しさ
さて、エクスプローラー1はなぜ市場から高評価を受けているのだろうか。
まず初めに、時計としての美しさが挙げられる。
エクスプローラー1のディテールは極めてシンプルだ。カレンダーを持たず、回転ベゼルやGMT針などの付加機能もない。ただ時刻を正しく表示することに特化している。バリエーションも潔く、2021年にコンビカラーのモデルが発売されるまでは、ステンレスモデルのみの展開だった。まさに質実剛健。シンプルイズベスト、である。
このように一見飾り気のないスペックでありながら、細部はドレスモデルと一線を隠すスポーツモデルらしい魅力が満載だ。時針にはロレックスのスポーツモデルを象徴するベンツ針、12時位置の三角形のインデックス、そして漆黒のミラーダイヤル。ラグは細く端正に仕上げられており、Ref.114270は36mmモデルであってもベルトは他のスポーツモデルと同様、20mm幅のものが装着されている(新型のRef.124270は19mmにサイズダウンした)。
なにより、ロレックスのスポーツモデルは細部の立体感が素晴らしい。細部まで丁寧に組み上げられた、メリハリのある表情は同価格帯の他のブランドと比べても一目瞭然だ。
2:ストーリー性の良さ
次に、そのストーリー性である。
エクスプローラー1は、1953年のエベレスト登頂で着用された「ロレックス・オイスター」に起源を持つ。その華々しいストーリーに裏打ちされた実用性は言うまでもないが、驚くべきは発売から70年近く経っても基本的なスペックを変えず、一度も廃盤になることなく製造されていることだ。
2010年には半世紀以上続いてきた36mmケースから39mmケースへ大型化されるが、2021年には再び36mmケースに回帰。これは時計サイズのトレンドが小型ケースに移ったこともあるだろうが、古くから親しまれてきたエクスプローラーのアイデンティティを尊重したという見方も大きい。まさにロレックスの伝統を象徴づけるモデルだ。
3:サイズ感・重さ

時計選びの際はサイズ感も重要だ
3つ目に、エクスプローラー1のサイズ・重さである。
ヨーロッパ圏にくらべてアジア圏の人々は細腕が多い。腕まわりで言うとおおよそ16.5-18.5mm程度だろうか。
一般的に、ケース幅のジャストサイズは「腕に時計を乗せたときにラグの両端がはみださず、少しゆとりを残したサイズ」だと言われる。これに当てはめると、日本人の腕まわりに似合うケース幅は36mm・38mm程度。36mmケースのRef.114270はまさに“ゴールデンサイズ”なのだ。

シーマスター300マスターコーアクシャル。40mmケースは少々窮屈な印象
筆者は腕周り16.5mmであるが、ケース幅40mm以上の腕時計は少々やぼったい。たとえば例として所有するシーマスター300マスターコーアクシャルを挙げてみる。この時計はデザイン、スペックともに申し分ないのだが、40mmケースというサイズ感がどうしても「着けられている」印象を与えてしまう。

Ref.114270。腕なじみが良い
時計のバランスには厚みも重要だ。残念なことに、2010年代から大型の腕時計が流行し、おそらくヨーロッパ市場をメインターゲットに置いたのか、ケースサイズだけでなくあらゆる腕時計の厚みが増してしまった。たとえば、2016年発売のTudorブラックベイはRef.79230は、ケースサイズが41mmでケース厚が15mm。これではデザインが良くても日本人の腕元では少々窮屈に感じるだろう。その点、ケース厚11-12mm程度のエクスプローラー1は腕の収まりがよく、時計好きでない人が見ても申し分ないバランスだろう。
時計の重さも忘れてはいけない。腕時計はあくまで日常使いするもの。たとえば平日8時間デスクワークをするとして、腕時計が重たいと耐えられなくなってしまう。筆者のシーマスター300 マスターコーアクシャルはブレス込みで175g。入手した直後は絶やさず着用していたが、いつのまにかデスクワーク中は腕時計を外して作業するようになり、勤務中は身につけなくなってしまった。
一方でエクスプローラー1の重さはRef.114270で約105g。腕にしっとりとなじみ、違和感なく着用できる重さだ。この70gの差は日常使いする上で極めて大きい。
手が届くうちに入手されるべし
最後に、「買い」の理由として、相場のお手頃さも挙げておくべきだろう。
ここ数年で急騰しているスポーツロレックスだが、2022年4月時点で、エクスプローラー1の旧型(Ref.14270,Ref.114270)はおおよそ70万円台前半から入手することができる。スポーツモデルで次に相場が安いエクスプローラーⅡの旧型は90万円台が底値。およそ20万円近い開きがある。
とはいえ、これは現時点での話。わずか1年前はエクスプローラーⅡも70万円台で入手できたことを考えると、エクスプローラーⅠの更なる高騰も考えられる。興味がある方は、まだ手が届くうちに入手しておきたい。
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<TEXT/お雑煮>