秋葉原・ガチャポン会館のガチャガチャは、手が届かないから回せないのだ

 言わずと知れたサブカルの聖地・秋葉原。

 いまや電気街としての街並みは薄れ、数々のゲームショップやメイド喫茶がひしめいているが、そのキラキラとした雰囲気とは裏腹に店舗の入れ替わりが激しい超・激戦区でもある。筆者もこの地で勝ち抜くことができずに去っていったタコスショップをどれだけ見てきたことか……。

 そんな熾烈なテナント争いが続く秋葉原だが、このサブカル・バトルフィールドにかれこれ10年以上生き残っている“ガチャガチャ専門店”がある。「ガチャポン会館」だ。

古豪。ガチャポン会館に行ってきた

ガチャポン会館_外見

ガチャポン会館はガチャガチャ専門店の古豪とも言える存在

 ガチャポン会館はJR秋葉原駅と東京メトロ末広町駅の中間地点に位置する。昭和通りを裏手に入ると、すぐに見える派手な黄色い看板に驚くことだろう。お前はラーメン二郎か。

 店の正面から店内を除くと溢れんばかりのガチャガチャマシーン……ガチャガチャマシマシじゃねえか。どうやらオープンは2004年ごろの様なので、もはや10年選手っているレベルではない。既に16年、ガチャガチャ専門店の古豪として秋葉原に君臨しているのだ。

 ガチャガチャ一筋でここまで息の長いお店というのは、全国でもかなり珍しいだろう。一般的にガチャガチャは利益率が30%と言われ、その気になればそこそこ稼げる気もする。確かに、最近では遊休資産として導入する例も増えてきた。

 ただ、そうはいってもガチャポン会館はガチャガチャだけで家賃を支払い、かつ16年間利益を上げているわけだ。それも地価が高いと言われる秋葉原のテナント(それも一階)で。一ヶ月で何個のガチャを売りさばいているのだろうか……想像するだけでも恐ろしい。バイヤーの観察眼もハンパない。

圧巻の店内はまさに、ガチャガチャのオアシス

ガチャポン_店内2

店内はまさにガチャガチャ好きのオアシス

 さて店内に入ってみると、とにかくガチャガチャのオンパレード。前を向いても横を向いても、とにかく360度見渡す限りガチャガチャである。好きな人にとってはまさにオアシス他ならない。

 扱っているガチャガチャのジャンルも幅広く、キャラクターものから乗り物系、雑貨系まで、ここに来れば手に入らないガチャはないんじゃないかってくらいのレパートリーだ。

ガチャポン_店内1

そういえば筆者が小学生の頃はガチャポン派とガチャガチャ派で二分してたな。今の小学生は何ていうんだろう

 さっきから「ガチャガチャ」とか「ガチャ」とか言っているが、実はガチャガチャの呼び方って権利関係がめちゃめちゃこじれていて、「ガチャガチャ」「ガチャポン」「ガシャポン」がバンダイの登録商標で「ガチャ」がタカラトミーの登録商標になっている。バンダイの開発担当者は口が裂けても「ガチャ」と呼べないのだ。

 まあガチャガチャを回す人には関係のない話だし、僕は呼びやすいように呼んでいる。ガチャポン会館も「ガチャポン」が呼びやすいからガチャポンと言っているんだろう。ガチャガチャ会館って言われてもゴロ悪いしね。

 因みにガチャガチャの正式名称は「カプセルトイ」だ。正式名称がマイナーな存在に成り下がってる感、嫌いじゃない。

このガチャガチャマシーン、手が届かねえよ

ガチャポン_天井

天井まで積まれたガチャガチャマシーン。「お宝」ステッカーが光る

 ガチャポン会館は、狭い店内にあまりに詰め込みすぎているものだから、天井まで平然とガチャガチャマシーンが並べられている。しかもよりによって一番上に「お宝」を置くわけである。上を見上げるとキラキラと輝くお宝ステッカー。おいおい、嫌がらせじゃねえかこんなの。

 多分店員さんにいえば脚立を用意してくれるのだろう。いや、そんなことはわかってる。わかってるんだよ。そういうことじゃなくて、ここまで主張されてしまうと、“いかに脚立を使わないでガチャを回すか”。つまりはそういうことなんだ。我々は知らずのうちにIQを試されているのだ。

小銭をかき集めて……ガチャポン会館で童心に帰る

ピカチュウ_スライム

何やかんやでベタなアイテムが多い

 豊富なレパートリーの割には、いかにも売れそうなオーソドックスな品揃えばかりである。これも恐らく、16年間ガチャガチャ一筋でやってきたバイヤーがたどり着いた“答え”なのだろう。ピカチューとピチューとスライムなんて、こんなの勝ち確演出以外の何者でもない。お前も丸くなっちまったな。

 とか言いながら、オーソドックスにピチューが欲しくなって、筆者もついガチャガチャを回してしまった。人目はばかられずにガチャガチャを回せるから、何だか童心に帰った気分だ。

 スリーパーが出てくる。おいおいなんだよ……参ったな。俺もすっかりガチャポン会館の虜じゃないか。そう思いながらつい、もう300円突っ込んでしまうのである。またスリーパーが出てくる。

<TEXT/お雑煮>