格安・並行輸入品。本物でも"違法"になってしまう衝撃のカラクリ

投稿日:1月 4, 2020 更新日:

並行輸入_バイヤー

 格安量販店のブランドコーナーへ立ち寄ると、ロレックスやコーチ・カルティエなどのハイブランド品が売っているのをよく目にするだろう。しかも、直営店で買うより5−10万円ほど安く買えることもしばしば。しかしブランドにとっては安く並べられるとイメージ低下になるだろうし、なによりドン○ホーテに品物を卸しているとは到底考えられない。それでは一体これらの商品は何者なのだろう。まさか偽物とか?

並行輸入品が安く仕入れることのできるワケ

並行輸入_グラフ

(『よくわかるこれからの貿易』p.18より引用、高橋靖治著・同文館出版)

 これらの商品は「並行輸入品」と呼ばれる、れっきとした本物のブランド品である。但し、ブランドが直営店や代理店に卸す「正規輸入品」とは流通形態が異なっており、安さのカラクはここに隠れている。

 日本貿易振興機構(JETRO)によれば、並行輸入とは「輸入販売に関する正式契約を結んでいない第三者の輸入者や個人業者によって輸入販売される」こと。つまり正規代理店とは異なる企業・バイヤーが、海外の直営店や卸業者を通じて商品を購入・輸入しているという訳だ。正規代理店では基本的に国内で設定された定価で販売されるため、この定価と並行輸入の仕入れ価格の差額が安くなるということである。また正規店と異なる業者が扱うため、格安量販店でも仕入れることができるのだ。

 ……というのが並行輸入の“表向きの”ビジネスモデル。実は近年、ブランド品をさらに安く仕入れることができる“グレーな”並行輸入が急増しているという。

ダークビジネス。もう一つの並行輸入品

港_並行輸入

※画像はイメージです(ぱくたそより掲載)

 そのビジネスモデルとはズバリ、アウトレット品の並行輸入だ。通常のアウトレット品は、直営店や正規代理店が販売する生産上で一定の基準を満たさない正規品を指す。そのためアウトレット品を販売しないブランドの場合は流通の段階で検品を行い、基準を満たさない商品を工場で焼却処分することになっている。ここで闇バイヤーが、焼却処分する商品を工場からまとめて買い取り直営店を介さずに販売しているのだ。

 とあるバイヤーの話によると、「焼却処分する商品の大半は、出荷工程で箱が破損するなどの軽微なダメージによるもの。こういった商品をそのまま廃棄するのは勿体無いし、正規品であるため品質には全く問題ない」とのこと。しかしこういった商品を商業目的で輸入すると商標権侵害にあたる恐れがある。2006年12月26日には、並行輸入業者がフレッドペリーのアウトレット品を香港経由で違法輸入したとして、東京高裁から賠償請求を受けた。

 そのため近年では日本で在庫を抱えずに、ECサイトで注文を受けた商品を中国や香港の倉庫から個別発送し、個人間取引を装う手口が横行しているようである。正規品を謳う格安ショッピングサイトを見ると「発送に15−30日ほど要します」と記載があるのはそのためだろう。闇バイヤーにとって、くれぐれも日本で在庫を抱えることは命取りなのだ。

 近年この手法は、アントレプレナー向けの悪徳ビジネスセミナーなどで紹介されているそう。一見すると画期的だが、もちろん違法ビジネスなのでくれぐれも注意されたい。

<TEXT/お雑煮>

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