「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」で北海道を乗りつぶし。25歳社会人の夏休み<札幌ー旭川>

投稿日:10月 13, 2020 更新日:

 2020年はまとまった連休が少ない。7月23日の4連休を過ぎれば、3連休以上の連休は9月19-22日のシルバーウィークしかやってこない。つまり、年末年始を除いて、まとめて有給を使えるチャンスはシルバーウィークがラストになる。もちろん僕はここに照準を合わし、1週間の“夏休み”をもらうことにした。

 さてどこに行こうか。時勢的に海外はNG、しかし長期休暇ならばそれにあった非日常が欲しい。そうだ、北海道なんてどうだろう。僕は、最北端からロシアを眺めるのが夢だったのだ。

ふと立ち寄った国際線ターミナルは人影がない

 9月20日夕方、成田発のLCCで新千歳空港へ向かう。有給申請が遅れ、19日の飛行機は取れなかった。

 搭乗するLCCは3席-3席の737で、窓際の僕は5人の学生グループに囲まれた。横の座席にはスマした雰囲気の男子と、あっけらかんとした女子が座った。二人の会話は途絶えることなく、離陸するやヒートアップ。年齢的にあまり差がないとはいえ、知らない集団の中に取り残されるのは堪えるものがある。旅の出だしの悪さにすっかり消沈しながら景色を眺めていたが、耳を立てているうちに、隣の男女のやり取りに引き込まれてしまった。

 飛行機が半分くらい進んだところで、二人は指スマ(「いっせーの、いち!」と、指が何本上がるか当てるゲーム)を始める。それが何回やっても男が勝ち続けるものだから、女はすっかり戦意をなくして「仕込んでるんじゃないか」と突っ込む。すると「予想して数字を出すんだよ」と男が自慢げに語り出した。いはく彼は、相手が前に出した指の数から次に何本出すのか予想して、指を出さない確率が高い数、つまり勝てる確率が高い数を予想するらしい。ひとしきり語りきった後で「ほら、俺の言った通りやったら次は勝てるから、やってみな」と男が言うと、「そんなのつまんないから、自己流でやるわ」と女はさらっとあしらった。すると動揺したのか、急に男が勝てなくなる。何度をやっても男は負け続ける。結局、空港に着く頃には引き分けで決着したのだった。

 新千歳空港からは快速エアポートで札幌へ。20時過ぎ、北海道勤務となった大学の後輩と待ち合わせ、頼んでいた切符を受け取る。「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」。JR北海道の在来線普通・特急列車が六日間乗り放題になるフリー切符だ。定価は24000円だが、ちょうどGO TO トラベルの補助金で半額の12000円で発売されていた。そろそろ半額の切符が売り切れそうだったので、先に買ってもらっていたのだ。


 本日の宿泊先はすすきの、Agodaで予約した900円のドミトリー。遅めのチェックインを済まし、このまま寝るのも惜しいかなと繁華街を出歩いてみる。しばらく歩くとタクシーの営業所の横、「大阪名物 たこ焼き」の看板を掲げた鉄板焼き屋が目に入り、なんとなくたこ焼きを頼んだ。10個で600円。カウンター5席のみの店内では、休憩をもらったホスト二人が焼きそばを頬張っていた。焼けるのに時間がかかるので、瓶ビールを煽りながら、ラジカセから流れるラジオドラマを聞き流す。それでも持て余すので、隅に平置きになったサンケイスポーツをめくりながらタバコもふかしたりしてると、ようやくたこ焼きがやってくる。味はまあ吉。ドミトリーに戻ってからは、ドン・キホーテで買った酎ハイを共用スペースで飲む。TVでは、NHKがヴェートーベンを流していた。

 9月21日、10時発の「特急ライラック11号」に乗って、本日の宿泊地・旭川へ向かう。チェックインには少し早すぎるので時刻表をめくっていたら、留萌本線という盲腸線が目に入った。調べてみると、自治体の合意が取れて近年中に一部区間が廃線となるという。ライラックを深川で降り、留萌本線のディーゼル車に乗り換えてみる。

 車両は、国鉄が民営化直前に製造した気動車・キハ54。2両編成の車内は、廃線のニュースを聞いた鉄道好きでごった返している。沿線は執着・留萌駅まで高速道路と並走しており、途中、石狩沼田付近までは車窓左手に高規格の道路設備を眺めながら進む。そんな自動車網の発展とは対照的に、車両は時おり「仮設乗降場」と呼ばれる木の板でできた簡素な駅に立ち寄ったりもする。黄金色に色づいた田畑は美しいが、結局大した見所もないまま留萌駅へ到着した。北海道では急速にモータリゼーションが進み、地方人口の過疎化も深刻になっている。留萌本線の1キロあたりの1日平均乗客数はわずか154人だ。すでに大量輸送という鉄道のメリットは失われており、全線廃止も時間の問題かもしれない。

 留萌駅を降りて少し歩くと港があり、そこで釣りをした。今回の旅にあたり、リュックに釣り具も詰め込んできたのだ。マルチロッドとルアーセット、サビキ仕掛けを数セット。ふ頭でジグサビキとメタルバイブを投げると、サバが釣れた。

 港沿いに少し歩くと、果てに黄金岬という岬がある。日は傾き始め、ゴツゴツとした岩肌を低い日差しが照らし、真っ黒に輝いていた。その後深川へ引き返し、旭川についたのは18時過ぎ。チェックインを済まし、蜂屋のラーメンを食べる。焦がしラードの豚骨スープは油ぽさが突いて違和感があったが、食べ進めるたびにまろやかになり、気づいたらスープを一滴残らず飲み干していた。

ー続くー

蜂屋のチャーシューメン(1000円)

<TEXT /お雑煮>

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