ラッキーセブンをまとった死神。人身事故の多い電車、京王線7777号車を追う

投稿日:1月 6, 2020 更新日:

京王線_7000系

京王7000系(画像はイメージ)

 東京の八王子・高尾方面から新宿へ、1日に数百万の乗客の生活を支える私鉄・京王電鉄。同線の中には、エンジェルナンバーをまとった7000系7777号車という車両が在籍している。

 この車番を見るとつい「幸運を呼ぶ車両」などといった愛称を与えたくなるが……実はこの電車、そんなイメージとは裏腹に関係者の間で「死神」とささやかれているのだ。

7777号車が「死神」と言われるワケ

人身事故_踏切

※画像はイメージです(ぱくたそより掲載)

 京王7000系は1984年から製造された通勤型車両。当時は5両編成で運用していたが、人口増加に対応した輸送力の増強と、調布駅から橋本駅を結ぶ新線(相模原線)の建設が重なっていたことから、全編成が8-10両編成化された。

 問題の7777号車は2011年7月、10両編成による運用が増加したことをきっかけに、既存の車両を組み替えて生まれた編成だ。おもに10両編成の花形である特急・準特急運用に配当されたが……死神たる所以はそこにあった。駅を高速で通過するため人身事故に会う確率が高いのである。そして特急運用につく車両の中でも7777号車は、運用開始からわずか1年で2回の人身事故に遭遇。頻繁に遭遇することから鉄道員の間で「死神」という愛称が名付けられるようになったそう。

なぜ京王線で人身事故が頻発するのか

人身事故_駅

 とはいえ、この車両だけ人身事故が多いわけではない。まず京王線はいまだに地上区間が大半のため、特急は踏切の多い住宅地を100km近い速度で走行しなければならない。それに明大前や千歳烏山など、乗降が多い駅でもホームが狭い駅が多く、ホームドアが設けられているのは新宿・調布・飛田給など一部の駅に限られている。つまり、京王線の特急運用に就く車両全てが同様に人身事故に遭遇するリスクを背負っているのだ。

 エンジェルナンバーを与えられながらも「死神」として歩み続けた不遇の存在、京王7000系7777号車。しかし同形式は製造から既に30年余りが経過し、新型車両が増備されていることから、昨年から本格的に廃車が始まった。このような流れからもおそらく、特急運用についている7777号車が活躍するのもあとわずかだろう。引退後は天国で安らかに過ごせるように祈るばかりだ。ドラマで言えば「本当は正義の味方になりたかった悪役キャラ」といったところか……なんと切ない車両だろう。

<TEXT/お雑煮>

-コラム
-, , , , , , ,

Copyright© すごいお雑煮 , 2020 All Rights Reserved.