予算5万円でオメガを手に入れる!ヴィンテージ・シーマスターがお得な理由とは

投稿日:3月 18, 2022 更新日:

高級腕時計の値上がりが止まらない。ロレックスは数年前から流通制限をかけたことにより、中古相場が急騰。この流れを受けて、ハイブランド腕時計の相場も軒並み上昇中だ。さらに社会情勢が不安定になったことで、株式投資のリスクが高まり、投資マネーが腕時計に流れている。

庶民にはなかなか手の届かない存在になってしまった高級腕時計だが、ものによってはまだ手頃な価格でその魅力を堪能することができる。そのなかでも今回は、オメガ・シーマスターを取りあげたい。

安価で楽しめるヴィンテージシーマスター

50年代中期のシーマスターにエクスパンションリベットブレスを装着

シーマスターはオメガを代表するコレクションの一つ。1948年に初代モデルが誕生して以来、高精度機である「シーマスタークロノメーター」ダイバーズウォッチの「シーマスター300」や30mmキャリバーを搭載した「シーマスター30」、サイドが滑らかなカーブを描いたCラインケースの「シーマスター120」など、様々なモデルがラインアップされた。これらの傑作モデルはすでに相場が高騰してしまい高値の華である。そんな中、探せば今なお比較的相場が落ち着いているモデルもある。50年代のレギュラーモデルだ。

50年代のステンレスケースや金貼りケースのモデルは非常に流通量が多く、相場が安定している。時計専門店でも10万円前後、オークションサイトやフリマアプリで探せば予算5万円で手に入れることも可能だ。

手頃なだけではなく、ディテールも魅力だ。搭載されているムーヴメントは、クロノメーターにも採用されていたハーフローターのcal.354や、オメガ初の全回転自動巻cal.470、これを大型化した改良機cal.501など、オメガの傑作機が使われている。これらは機械に銅メッキをほどこした美しい赤銅色で、ヴィンテージオメガらしい雰囲気に溢れている。

また、レギュラーモデルとはいえ高級感もばっちり。この年代のオメガは文字盤のロゴマークが別パーツの「アプライドロゴ」であることが多い。製造コストがかかるため現在ではほとんど採用されていないが、ヴィンテージモデルなら安価にアプライドロゴを楽しめるのだ。

今が狙い目!イチオシの「飛びアラビア数字」

マスターシリーズの親戚ともいえるランチェロ 。飛びアラビア数字の文字盤を持つ

数ある50年代のヴィンテージシーマスターの中で特にオススメしたいのが、3・6・9・12のアラビア数字を装飾したモデルである。通称「飛びアラビア数字」と呼ばれるこの意匠は、後年の「シーマスター300」や「レイルマスター」などのマスターシリーズでも採用され、オメガのアイコンともいえるもの。現在では、マスターシリーズのヴィンテージは高額になってしまったが、この雰囲気を数十分の1の価格で楽しむことができるのだ。

「飛びアラビア数字」のシンプルな美しさを存分に堪能するためにも、デイト表示のないもの、センターセコンドのものを狙いたい。

ネットオークションの個体でも大丈夫?

オークションサイトやフリマサイトでは、個体によっては5万円台から入手が可能だ。ただし、メンテナンスを受けていないもの、現状扱いのものが多いため、メンテナンス費用に3-5万円ほど予備費用を用意しておくと安心だ。また、機械の内部が損傷しているなど、取引のリスクも高い。できることであれば詳細なゼンマイの巻き上げに違和感はないか、日差が大きくないかを確認しておこう。日差は「1日に何分進むか、遅れるか」を指す。ヴィンテージ腕時計は+-2分程度が目安とされる。機械内部の写真があるものを選ぶとなお安心だ。

個人的には、個人出品者でやけに背景に力を入れているもの(辞典やアンティーク雑貨など、装飾が多い)、タイトルや説明文に「稼動品」とのみ記載しているものはリスクが高い印象だ。背景に力を入れているものは、商品の状態が良くない(or 訳あり)のために、背景の情報量を増やしてごまかしていることが多い。「稼動品」とのみ表記しているものは、ゼンマイの巻き上げが不良であったり、1日に数時間遅れるなど重大な欠陥を抱えているが、これらを記載していない可能性がある。

ネットオークションで比較的信頼性が高いのは、ブランド専門店や質屋の出品物である。これらは出品前に検品していることが多く、日常使用に差し支えなく、状態記載も正確なものが多い。一部、ネット専門で展開している腕時計店は、自社でメンテナンスをせず仕入れ時の状態のままで出品しているが、商品のコンディション表記については正確な印象だ。

リダンの個体でも大丈夫?

リダンの個体でも、綺麗なものは手頃に楽しめて満足感も高い

ヴィンテージのシーマスターを入手する上で懸念となる点が、リダン(文字盤修復)の個体である。

50年代のシーマスターのオリジナル文字盤はコンディションの悪いものが多く、文字盤の表面にシミがついてしまったり、気泡が生じたり、剥がれてしまっていたりと、状態の良いものを探すのは至難の技だ。残念なことに、今市場に出回っている同年代のシーマスターの多くはこのようなダメージのためにリダンされている。

さて、リダンの良し悪しであるが、個人的には予算に応じて判断することをおすすめしたい。

ヴィンテージ腕時計はオリジナル性の高さで価値が決まるため、基本的にリダンの個体は評価が下がりやすい。5万円前後と手頃な価格で楽しむのであれば、オリジナルで文字盤の状態が悪い時計よりも、文字盤が綺麗にリダンされた時計の方がストレスフリーで使いやすいだろう。一方、予算が10−20万円台と高額な場合は、じっくりと吟味してオリジナルで状態の良いものを選ぶのが良い。

ヴィンテージシーマスターのリダンの大まかな判別方法としては、「Seamaster」「AUTOMATIC」のロゴに歪みがないか、「OMEGA」ロゴのフォントが適切か、ミニッツトラック(秒目盛り)の配置が適切か、などがある。

特にリダン文字盤は連続する文字が歪みやすい。「Seamaster」の「a」、「AUTOMATIC」の「A」が2文字とも同様のフォント・サイズで印字されているかは注意して確認しよう。

購入後の注意点は

50年代のシーマスター は半世紀以上経っているため、現代の時計とは勝手が異なる。特に「時計の落下」「水気」「磁気帯び」の3点には注意して取り扱おう。

機械式時計で最も振動に弱いのは、時計の振り子の役割をするテンプと呼ばれる箇所だ。この年代のシーマスターはテンプに「インカブロック」という耐震装置を搭載しているが、それでも過度な衝撃には耐えられない。古い時計のため部品のストックも限られており、一度落下してしまうと修理ができないことも。

また、一見堅牢そうなケースでも、長年の使用によってケースが摩耗している。雨の日や夏場の使用はできる限り控えたい。特にヴィンテージ腕時計は汗の湿気に弱い。夏場、外に出ると手の甲に汗がにじむ。この汗がケース全体をつつみ、時間が経つにつれ蒸発して、ケースの隙間から機械内部に侵入してしまう。夏場にヴィンテージ腕時計を使用すると風防の内部が曇ることがあるが、これは汗が侵入したということ。このまま放置しておくと、たちまち機械のサビ・油の劣化など重大なトラブルにつながるため、直ちにメンテナンスしよう。

現代最も危険なのが、電子機器による「磁気帯び」だ。ヴィンテージ腕時計が製造された時代は、PCやスマートフォンなどの電子機器はなかった。しかし現代は磁気帯びのリスクがはるかに高い。特にPCやスマートフォンのスピーカーには要注意だ。スピーカーから発する磁気は非常に強力であるため、時計を近くに置いてスピーカーで音楽を再生すると一発で磁気帯びすることも。突然時計が1時間に数十分も進むようになったら、磁気帯びしてしまったと考えてよい。

ヴィンテージの腕時計を身につける際は、これらの点に気をつけて楽しもう。

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<TEXT/お雑煮>

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