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ー連載:トゥクトゥクドライバー・リックの『カンボジア好日』ー

家族でアンコールワットへ
こんにちは!今日はカンボジアの伝統行事についてです。
日本では、8月にあるお盆ですが、カンボジアでは9月にあります。クメール語で、「プチュムボン(Pchum Ben)」といいます。乾季である4月にはクメール正月が、雨季である9月にプチュムボンがあります。どちらも連休となるので、国民の多くが田舎に帰ったりして都会の街中のレストランや、お店がその期間休みになることも多いので、4月と9月にカンボジアへ来られる方はご注意ください。
カンボジアのお盆「プチュムボン」

寺院へ寄進をする
さて、今日はお盆であるプチュムボンについて説明をします。まず、カンボジア人(クメール人)の大半が上座部仏教を信仰していると言われ、農村に行くほど敬虔な仏教徒が多くいる傾向にあります。
期間は15日間あります。1日目から14日目までは「ボンプチュム」、15日目は「プチュムボン」と言われています。7個のお寺をお参りすることが良いとされていて、アンコールワットをはじめとする寺院に親戚で旅行をしながらお参りします。そのため、カンボジア人の中でも「一生に一度シェムリアップにあるアンコールワットにいくべきだ」という言い伝えがあります。また、家の近くのお寺にスープや食べ物、水、お布施を持っていき、お坊さんに寄進します。
家族がお参りに来なかったら、その一族は呪い殺される
なぜ、7個のお寺なのかというと古い言い伝えがあるためです。それは、今まで亡くなったご先祖さまの中で7人が生きている間に罪を犯し、亡くなって地獄へ行き、幽霊として生まれ変わり、着るものも食べるものもなく、太陽のない真っ暗な世界をうらめしい想いを引きずってさまよっているという話です。
しかし、お盆の期間中は地獄から解放されたその家族がお寺に参り、お坊さんに食べ物やお金などを寄付すると、お坊さんの祈りを通して、その7人のご先祖さまが受け取ることができるとされています。もしその7人のご先祖さまに、現世で家族がお参りに来なかったら、その一族は呪い殺されるそうです。きちんとお供えをして祈りを捧げることで、平和と一族の繁栄を次の世代まで受け継ぐことができるとされています。
また、朝4時に起きて近くの寺院にいき亡くなった親戚に祈りを捧げながら団子やご飯を丸めたおにぎりをお寺の周りに投げる風習もあります。 私たちカンボジア人の生活の中にはご先祖さまと寺院が深い関わりを持っています。

去年の、プチュムボンの時は雨が多く、故郷に帰るのは大変だった。
お盆だけではなく、日常から寺院にお参りに行き、ご先祖さまに感謝の気持ちを伝え、家族の安全を守ってもらえたらいいですね!日本の皆さんも、是非新型コロナウイルスが収束したらアンコールワットに来てくださいね!
<TEXT/トゥクトゥクドライバーリック>