「水に浮かぶ駅」東京駅だけではなかった
地下防水工事を手がける株式会社ウォータイトのHPによれば、このような浮力工事が始まったきっかけは新小岩駅で発生した地盤上昇なのだそう。1991年10月、東京に大型台風が上陸し増水した地下水が駅舎を持ち上げて線路を分断してしまったのだ。その後JRが駅舎の地下水位を検査したところ、上野駅・東京駅で地下水が上昇する可能性があることが判明した。これらの駅は建設当初は問題なかったが、地下水汲み上げの規制が強まったことで水位が上昇してしまったそうである。
地下水は常に水位を保とうと上昇し続ける。現在、東京駅ではアンカーと排水所を使ってホームを一定の位置に固定しているが、1日でも排水機能が途絶えてしまうと先ほどの例のように駅舎自体機能しなくなってしまうのだ。まさに眠り続ける船…潜水艦とでも言うのがふさわしいだろう。それにしても普段何気なく使っている鉄道が実は水中を走っているなんて、なんともロマンをくすぐる話である。
<TEXT/お雑煮>