突如閉店した「ウェアハウス川崎店」。日本にあった、もう一つの九龍城【追憶・電脳九龍城②】

投稿日:6月 11, 2020 更新日:

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明里

明里

休日は一眼レフを片手に下町やディープなスポットを散策するのが生きがいな女子大生です。

ー前編はこちら:サイバーパンクなゲームセンター「ウェアハウス川崎店」の在りし日

香港の伝説のスラム街「九龍城砦(きゅうりゅうじょうさい)」をモチーフにした国内でも珍しいゲームセンターだ。店の入り口には18歳未満禁止の看板。まさに大人の聖地だった。

しかし昨年10月、店内に突如として現れた「閉店」の張り紙。ネットでは瞬く間にトレンドになり、多くの客が駆け付けた。

前編では、2019年8月に訪れた際の写真をもとに、電脳九龍城の成り立ちと1階部分を紹介した。後編である今回の記事では、電脳九龍城のメインである2階部分を主に探索する。

電脳九龍城の心臓部

「18歳未満立ち入り禁止」の看板が電脳九龍城に入ろうとする人を拒む。その中ではどんな光景が広がっているのだろうか。

「大人のデートスポット」として知られる電脳九龍城の心臓部へ向かう。

1階のエスカレーターから2階へと進む。エスカレーターも、錆びのほどこしがしてあって、細部にもこだわりが詰まっていた。

2階には九龍城を思わせる建物群

2階は、3階まで吹き抜けになったフロア。香港の伝説のスラム街「九龍城」を思わせるような、雑多な建物群が復元されている。垂れた看板、露店、壁面に吊るされた洗濯物など、九龍城の町並みそのものが蘇るような、生活感溢れる空間だ。

看板の装飾と鉄格子が生々しい

看板の装飾と鉄格子が生々しい。「牙科」とは……?中国語が読めないので、謎に包まれた看板が興味深い。

(編:「牙科」は中国語で歯医者を指すようです)

赤い下着

建物の間に、赤い下着が干されているのは目を引かれる。空間が暗いため、赤が強烈に浮かび上がる。

レトロゲーム

もちろん、ゲームセンターとして多くのゲーム機が町並みに馴染むように設置されている。

レトロなゲーム機はテレビや雑誌でしか見たこともないくらい、平成生まれの私たちには程遠い存在になってしまった。

壁面に設けられたポスト

扉やポストなど、2階には様々な仕掛けがあり、見ていて飽きない。視覚だけでなく、音や嗅覚でも楽しむことができるのが特徴だ。

次ページ:さよなら電脳九龍城。細部まで余すことなく紹介します

リアルな北京ダックに思わず胸が高鳴る

お肉屋さん

そして、なんといっても目に付くのはお肉屋さん

美味しそうな北京ダックが、丸ごと飾られている。中にも入ることができるため、店員になりきって写真撮影をしている人も多かった。

近くで見てもとてもリアルで、思わず食べてくなるクオリティだった。値札のシミもリアルだ……。

あえてくすんでいる食品サンプルはあまり出会ったことがないので新鮮。

大きなそろばん

露店の机には大きなそろばんが置いてある。日本のそろばんと、珠の数が違うような気がする。錆びや埃など、塗装だけでここまでリアルに仕上げることができるのか。技術に驚きだ。

2階フロアの半分は、最新のゲーム機が並び、今までの九龍城感が嘘のような豪華な空間が広がる。輝く現代のゲーム機の白さと、九龍城のどんよりとした雰囲気のギャップがたまらない。

3階から九龍城を見渡す

3階から下を見下ろす

3階はレトロゲーム機とメダルコーナーがメイン。また、2階の吹き抜けを見下ろすことができるとあって、一層写真映えするスポットだ。

建物と繋がる通路。関係者以外は立ち入り禁止

建物と繋がる通路は、関係者以外立ち入り禁止。

吹き抜けの手すりの傍には机と椅子が置かれ、小さな休憩スポットになっていた。(机と椅子は綺麗なものだった)

店内に再現された九龍城を見渡しながら、みんなは何を感じていたのだろう。

細部のこだわりを感じる

様々なチラシが貼られ、カオス。剥がし後も雰囲気がある

隅々までこだわりを感じることができるのが、電脳九龍城の醍醐味だろう。

ゴミやポスターは現地から空輸してきたという話もあるほど、こだわりが詰まっているようだ。卑猥な雰囲気がぷんぷんする。
これが18歳未満立ち入り禁止の所以なのかも。

淋病、梅毒…そして意味深な女性のポスター……。

怪しい自動販売機

2階にある自動販売機も異様な雰囲気が漂う。ちょっと購入するのを躊躇ってしまう。

クレーンゲームも古い雰囲気

クレーンゲームもくたびれた雰囲気。稼働しているのか試したくなるレベル。

貨物専用エレベーター

こちらは貨物専用のエレベーター。赤茶の錆とポスターの状態がマッチして異空間になっている。

これは廃墟好きにはたまらないのでは。

うーん。見た中で一番卑猥な雰囲気

チラシをよく見ると、皮膚病とか墳血と書かれたポスターも。日本では馴染みのない言葉に興味津々。

これぞ電脳九龍城!!男女トイレの仕掛け

トイレの入り口。右は女性

電脳九龍城は、2階にあるトイレが「雰囲気がありすぎる」と話題になっていた。入り口からして廃墟感溢れる空間にビビる。

恐る恐る女性トイレに入ってみると……。

女性トイレ

なんと、西洋風の美しいトイレだった…!!
絵画も飾られており、九龍城のトイレとは思えない雰囲気だ。

どうやら女性トイレではなく、男性トイレに仕掛けがあるようだ。

男性トイレ

男性トイレの内装は、薄汚い九龍城の雰囲気を醸し出している。しかし、塗装なので、衛生面では問題ないそうだ。

巨大ゲームセンター・電脳九龍城

九龍城を模した店内ではあるものの、ゲームセンターとしても豊富なゲーム機が並んでいた。これだけ豊富なゲーム機を見るのも、最近では珍しくなってきたので、ゲーム目当てで通っていた方も多いのではないだろうか。

また、撮影をするのを忘れてしまったが、卓球、ビリヤードコーナー、インターネットカフェのフロアは綺麗に整備されており、多くの人で賑わっていた。

4階のギリシャ風な彫刻

4階は古代ギリシャを思わせる彫刻がお出迎え。九龍城からギリシャへのギャップがたまらない。

〜〜〜

2019年、秋。突然発表された閉店のお知らせ。昨今、コスプレの撮影が流行っているのでそうした撮影場所として再利用されることを願っていたが、そう簡単なことではなさそうだ。

細部までこだわった内装の電脳九龍城。多くの人の記憶に残るように、ここに留めておきたい。

<TEXT/明里>

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