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新宿駅・京王線中央口からわずか30秒。京王百貨店の地下街「京王モール」を歩けば、こじんまりとしたカレー屋さんが視界に飛び込んでくる。
カレーハウス「11イマサ」だ。

11イマサは京王線中央口から直ぐ、京王モールにあるカレースタンドだ
11イマサは創業以来、京王モールで営業を続けてきた老舗カレースタンドである。店内はカウンターのみ。昼時になるとサラリーマンが列を作り、外国人観光客や学生まで客足の絶えない人気店である。
カレー・トッピングのバリエーションも豊富で、何度足を運んでも飽きることがない。「11イマサのカレーを食べずして、新宿を語るべからず」まさにそんなカレーではなかろうか。
今回、すごいお雑煮取材班ではカレーハウス11イマサにインタビューを敢行。その人気の秘密に迫った。
取材に応じてくれたのは11イマサ・公式Twitterの中の人こと、原田右恭さんだ。
カレーハウス11イマサ、創業の経緯を聞いた

チキンカツカレー(550円)
カレーハウス11イマサの創業は1964年にさかのぼる。現在は京王モールのカレースタンド1店舗のみだが、当時は都内に幅広く店舗展開していたそうだ。
「元々“イマサ”と付く名前で、東京各所に日本料理・カレーとスパゲッティーのお店などの事業をチェーン展開しておりました。その中でも新宿という土地には深く根付いていたため、京王モール建設の際に出店のお話を貰えたという経緯があります」(原田さん・以下同じ)
11イマサの多彩なメニュー展開は、当時の「社長の強いこだわりが反映されているのでは」と原田さんは話す。
「創業から、バリエーションには余念が無かったと思います。現在でも味わえる、ビーフカレー・ポークカレー・チキンカレーは創業当時から受け継がれてきたものです。ただここ最近は、現場の声をより重視し更にそのバリエーションとクオリティーを追求しております。
客観的に見て、このスタンド形態(回転率などを加味)でかつこのルゥの数を回してるのは超人的だな...と中の人は思っています」
カレースタンドならではのスピード感。オペレーションの秘訣とは

バリエーションが豊富な食券機
実際に券売機を見てみるとカレーだけでおよそ20種類、さらに15種類以上のトッピングとサラダ類。なんとレギュラーメニューのみならず、期間限定カレーまで並んでいる。常に客足の絶えない中、このメニューをわずか数名のスタッフでさばいているのだ。
しかしいざカウンターに着席してみると、スタッフの一糸乱れぬテキパキとした動きに驚く。食券を手渡して1分もすれば、あっという間に料理が運ばれてくる。まさに11イマサが為す“神業”だ。
このオペレーションについて、「スタッフのナレッジマネジメント、キッチンの効率化で対応しています」と原田さんは言う。
「また11イマサでは入り口と出口を分けて導線を作ったり、英語メニュー対応・券売機を導入するなどの工夫をしています。小さいお店ですが、このように要所要所を工夫することで何とか対応しているのかなと、改めて思いました。
私自身はあくまで『お客さんのスタンスであり続けたい』と考えているので、キッチンに入ったりはせず、食べ歩く中で“客観視を忘れないこと”を意識しているのですが、オペレーションに関しては何処にも負けない自信がありますね。
ただ1つ忘れてはいけないと思っているのが、“お客様の協力があって成立している”部分だと思います。11イマサのスタイルを理解している皆さんがいるから成立しているこの回転率と、それに伴う味だったり価格だったり……なんです!」
11イマサが多くの客を惹きつける秘密

調味料を使って、自分の味に仕上げていくのも、11イマサの醍醐味である
11イマサのカレーで特徴的なのは、シンプルながらもスパイシーなルゥだ。
カウンターに置かれた卓上調味料(辛味オイル・辛味パウダー)を使って辛さを調節し、漬け物を加えながら、自分好みの味に仕上げていく。そして、名物とも言える肉厚ジューシーなチキンカツ。平たいスプーンでご飯をかき込み、カツをルゥに絡めてかぶり付く。
今となっては数少なくなった正統派カレーの味。それでもなお多くの客を惹きつける、その秘密はどのようなものだろうか。
「昨今のカレートレンドとは逆行するような“安い・早い・美味い”の中で、いかに効率的かつ、良いメニューを提供し続けるかが11イマサのカレーのポイントだと感じています。
もちろん、一つ一つのルゥやソースに歴史とこだわりがあるのですが、それを『いかに多くの人に食べて貰えるようにするか』という点で、他にはない工夫があると思います。
そこには、絶対味に妥協しないことも含まれていて……!『安かろう悪かろう』が11イマサでは1番ありえないと捉えています。
11イマサが11イマサであることにこだわりと工夫が詰まっているのかなと認識しています」
インドカレーや無加水カレーなど、本格派のカレー店が増えてきている今だからこそ、11イマサが創業から突き詰めてきたカレースタンドへのこだわりが支持されているのだ。
定番メニュー「チキンカレー」。オススメは“朝に食べる”こと?

原田さんイチオシの「朝カレーセット」(提供:カレーハウス11イマサ)
安い・早い・美味い。カレースタンドだからこそ楽しめるカレーがある……。せっかくなので、11イマサの定番メニュー「チキンカレー」のオススメの食べ方を聞いてみた。
「良くも悪くも無難なカレーですので、なんにでも良く合います。もちろん、揚げ物との相性はピカイチですよね。ですのであえて中の人からは、朝に食べる『朝カレーセットでのチキンソース』をおすすめしたいです。
理由の多くは価格にありまして、増税の際に唯一値下げをしたメニューでもありますし、くわえて朝に一番おなかに優しく、かつ健康的にスパイスを感じられるからです。
信じるか信じないかは皆さん次第ですが、ポジショントークは嫌いな中の人ですので是非信じてもらえたらな!と思います」
開店から57年。客とお店がつなぎ続ける、イマサの味

チーズキーマカレー(提供:カレーハウス11イマサ)
11イマサは今年で第57期を迎えるという。
現在は京王モールの1店舗のみだが、原田さんは「最近は皆さんのニーズを生の声で感じていますし、時と場所さえ揃えば我々は皆さんの街まで会いにいきますよ!」と店舗拡大への想いを込める。
「まずこういうインタビューで必ず言わせて貰うのが、これを見てくれる11イマサファン皆さんへの感謝です。
57年も食べつないで貰えたカレーを作っていることは誇りですし、もはや日本のスタンドカレーの文化だとも自負しています。それくらいの責任感を持ってやれるのは各世代が『美味しい』と言ってくれるからであって、守っていかなきゃ攻めなきゃ!とさせてくれます。これからも11イマサに関わる全ての人たちにカレーを通して“笑顔やワクワク”を売っていきますね!
私もSNSを通してフランクに!そして真っ直ぐに向き合いますので!いつでもご連絡お待ちしております。そしてコロナ終息したらまた食べに来てね!」
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<TEXT/お雑煮>
【取材協力】カレーハウス11イマサ