神戸高速鉄道・新開地の「高速そば」。名物・ぼっかけうどんを食べてみた

投稿日:4月 7, 2020 更新日:

サラリーマンの味方、立ち食いそば。

電車の乗り換え時間にふらっと暖簾をくぐり、食券を渡して30秒も待てば、暖かい蕎麦が食べられる。そんな手軽さとスピード感が魅力だが、この魅力を極限まで突き詰めたようなネーミングの店が、神戸・新開地にある。

その名も、「高速そば」だ。

「高速そば」その名前の由来とは

「高速そば」がテナントする神戸高速鉄道・新開地駅

「高速そば」。

いかにもな店名だが、別に高速で蕎麦が出てくるというワケではない。出鼻を挫くが、店舗が所在する「神戸高速鉄道」から名付けられた。

ちなみに、神戸高速鉄道は鉄道車両を保有しておらず、線路を他の鉄道会社に借用して経営している。つまり「自社の車両を持っていないのに、なぜか立ち食いそば屋は持っている」という、なんともニッチな鉄道会社なのである。……流石にこじつけか。

神戸高速鉄道には様々な私鉄の車両が乗り入れる。写真は神戸電鉄1000系

「高速そば」があるのは、神戸高速鉄道・新開地駅。この駅には阪急・阪神・神戸電鉄の車両が乗り入れ、姫路・大阪方面へ向かう拠点となっている。

新開地駅の西改札口で切符を購入して改札機をくぐれば、コンコースのすぐ正面に緑色の暖簾をかけた立ち食い蕎麦屋が見えてくる。

「高速そば」の暖簾に誘われて……

高速そば_暖簾

暖簾にデカデカと書かれた「高速そば」の文字

緑色の暖簾に大きく書かれた「高速そば」の文字。

うーん、良い。良さみが深い(死語)

何よりこの字面よ。“高速”ときたもんだ。店名に速度を謳うそば屋、初めて見た。立ち食いそば屋だからか、語呂の良さも感じる。

立ち食いそばだが、うどんが人気。関西っぽい

さて、早速実食してみよう。立ち食いそば屋だが、有名なのはうどんである。メニューや券売機も目立つ上段にうどん、下段にそばが並べられている。なぜ店名を「高速うどん」にしなかった……。

暖簾をくぐり、店員のオッチャンに食券を手渡す。オッチャン、その高速っぷり、お手並み拝見といこうじゃないの。

店内はカウンターのみ

店内はカウンターのみのこじんまりとしたものだ。コンコースがホームに向かって傾斜しているため、フロアの真ん中に段差がある。

と店内を眺めていると、あれ、もう30秒経ったな。35秒、40秒……。

「はい、おまちどう」

1分ちょうどで着丼した。早い。そこそこ早いんだけど、高速ってワケではなかった。「高速そば」を謳う、中速の立ち食いそば。なんとも惜しい。

ご当地グルメ・ぼっかけうどん。素朴で美味しい、駅の味

ぼっかけうどん(420円)

今回頼んだのは、高速そば名物の「ぼっかけうどん」(420円)。

ぼっかけとは、牛すじとこんにゃくを甘く醤油で煮込んだもの。近畿地方のご当地グルメである。

かけうどんの上に一面、ぼっかけがかけられており、なんとも食欲をそそる。

ところでカウンターには細かいチェッカー模様が入っているが、これが兎に角うるさい。器を見つめると、視界の隅々からチカチカと主張してくる。

うどんの麺は、立ち食い特有の素朴な食感

先ずは一口、麺をすすってみよう。……うん、モチモチとした素朴な食感。縮れた中太麺には汁がしっかりと絡んでくる。まさに立ち食いそば屋のうどん、といった具合だ。

ぼっかけの煮汁が出汁によく染みる

器を持ち上げて出汁をすすりながら、箸でぼっかけをかきこむ。

牛すじとこんにゃくのコリコリとした食感が楽しい。牛すじは旨味が奥にギュッと詰まっていて、噛めば噛むほどしみてくる。もう少し粒が大きかったら嬉しいかも。

出汁は薄味だが、ぼっかけの煮汁が染み込んで甘めの味わいに仕上がっている。以前、小山の「きそば」に訪問した時も感じたのだが、そば・うどんと煮込みはつくづく相性が良い。

ちなみにかつて、名古屋を走る名鉄には“高速”という列車種別があった。すでに無くなってしまったが、今なお愛好家からの人気が高く、古き良き名鉄としてその名が語られる。そんなこともあり僕は、駅構内で「高速」という文字を見かけると全身の“鉄分”が急増する。うーん、高速そば、良い名前だ。

ニッチな私鉄の駅構内で、うどんをすする。とりわけ美味いというわけでもないのだが、この駅に立ち食いそばがあるという事実が、うどんの味を二倍三倍と引き立ててくれる。

<TEXT/お雑煮>

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