企業価値が半減した「WeWork」。オフィスを訪問して気づいた意外な事実

投稿日:12月 2, 2019 更新日:

WeWork_ロビー

ロビーにて。ゲストWifiも利用可能

 2019年11月6日、ソフトバンクが第二四半期決算で約156億円の赤字を発表。この赤字に関して、孫正義社長は「真っ赤っかの大赤字。まさに台風というか大嵐」とコメントを出した。そんな今回の決算発表の最大の要因とも言えるのが、同社が巨額投資を費やしたユニコーン企業「WeWork」だ。

WeWorkって何の会社?SBが巨額赤字に陥ったワケ

WeWork_HP
WeWork公式HPより

 WeWorkとは、ニューヨークに本社を置き、起業家向けのコワーキングオフィスを提供・運営するベンチャー企業である。2010年の創設以来、全世界にオフィスを展開して事業を急成長させ、一時は評価額が470億ドルの超巨大ユニコーン(ユニコーン=評価額10億ドル以上で未上場のITスタートアップ企業)として注目を集めた。

 しかし2018年9月上旬、IPO(新規株式公開)を目前にして空気は一転する。なんと評価額が約200億ドルに大幅下落したのだ。WeWorkのビジネスはオフィスの「賃貸業者」としての側面が強く、ITサービス企業として評価するには早計であると、投資家から牽制がかけられた形だ。同16日にはIPOの延期を発表。また同じくして、アダム・ニューマンCEOのインサイダー疑惑を指摘する暴露記事がネット上でリーク、24日付けでCEOを辞任している。

 そして10月22日、IPO延期にCEO辞任と失望感の強まる中、最大出資元であったソフトバンクがWeWorkの経営権を獲得。この時の評価額はわずか75億ドルであったそうだ。

WeWorkに実際に行ってみた

WeWork_ロビー
ロビーにて。ゲストWifiも利用可能

 波乱万丈のWeWorkだが、先日、所用でオフィスに訪れる機会があったので簡単にレポートする。筆者が向かったのは東京都・港区側に立地するオフィス。入居ビルディングは駅から徒歩5分程度、都内有数の好立地にある。

 エントランスを抜けエレベーターで入居フロアへ。フロントへ到着するとMacBookで業務をこなす案内役が2名待機していた。訪問の要件を伝えて、タブレット端末で“チェックイン”を行う。画面の案内に沿って名前・担当者名・会社名を入力すると、インカメラが起動。顔写真を撮られた。

 チェックインを終えた後は、待ち合わせ時間までフロントロビーでくつろぐ。室内は木目調の装飾で、開放感あふれる空間。中央には座面の低いエスニックなソファや半円形のテーブルが並び、壁面に沿って対面ブース、バーカウンターも備え付けられていて、コーヒーを楽しむ人々の姿も見られる。BGMには洋楽のポップソングが流れ、全体的に華やかな印象だ。

 しばしソファで作業をしていると、訪問先の担当者様が到着。「端末で入力してもらうと、こうやって顔写真つきの来訪通知が届くんですよ」と画面を見せてくれた。通知で届いた写真を見ながらロビーでクライアントを探すそう。

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