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阿里山森林鉄道で有名な奮起湖。今回は奮起湖駅までバスで向かう方法をご紹介します。
南の九份こと、奮起湖へ行こう

「南の九份」こと、奮起湖老街
奮起湖は嘉義県竹崎郷、阿里山の中腹に位置する地域です。とはいっても湖があるわけではなく、一帯は山に囲まれた平地で、平地の底に霧が溜まるとまるで湖のように見えるためこの名前が付いたのだそう。
かつては森林鉄道の給水地であったことから、阿里山檜など物資輸送の中継地として栄えてきました。駅前の奮起湖老街は、その山中に佇む景色から「南の九份」と呼ばれることもあります。

戰斧軟焼肉・燜焼烤雞腿弁当(180台湾ドル)
奮起湖には奮起湖弁当という有名な駅弁があり、芯までタレが染みたスペアリブとゆで卵がとにかく絶品。「この弁当を食べなければ阿里山を登ったということにはならない」ということわざが生まれるほどなんですよ(詳しくはこちらの記事で)。
また現在、阿里山森林鉄道の十字路ー阿里山駅間が土砂崩れで不通になっているため、阿里山を森林鉄道で下山したい場合は奮起湖駅が最寄になります。
そのため平日休日問わず、奮起湖周辺は観光客で賑わいを見せています。
新幹線から路線バスに乗る際の注意点

高鉄嘉義駅から無料BRTで台鉄嘉義駅へ
嘉義市街から奮起湖へは、阿里山森林鉄道かバスのいずれかで向かうことができます(ミニバンもありますが今回は割愛)。
しかし奮起湖を経由する十字路行きの森林鉄道は少なく、平日は9:00発、休日は8:30/9:30発(祝日に増便)の列車のみ。平日の旅行で奮起湖へ向かいたい場合にはなかなか難易度が高いダイヤです。
しかし、ここで役に立つのが奮起湖行きの路線バス。このバスは曜日を問わず9:35と12:05に嘉義駅を出発するため、少し時間にゆとりを持って旅行プランを組み立てることができます。
また森林鉄道の上り列車は混み合うため、行きはバスを使って帰りに森林鉄道を楽しむのも1つの手でしょう。
さて、乗車にあたって注意したいのが、「嘉義駅」と、新幹線が発着する「高鐡嘉義駅」は全く別の駅だということです。
日本の駅では新幹線と在来線の駅は隣接していますが、台湾では新幹線が敷設されたのが最近のため、同じ駅名でも在来線の駅と新幹線の駅が全く違う場所にあることが多いのです。嘉義もその例に漏れず、バスと森林鉄道が発着する嘉義駅から高鐵嘉義駅までは、なんと10km近く離れています。
そのため新幹線を使って阿里山方面へ向かう場合は、まず高鐵嘉義駅に発着するBRT(高速バス輸送システム)を使って嘉義駅へ向かう必要があります。BRTは高鉄嘉義駅のバスターミナルからおよそ15分おきに発着しており、新幹線のチケットを見せれば無料で乗車できるのでお得ですね。
ただ、嘉義駅までおよそ30分ほどかかるため、ギリギリのスケジュールでは間に合わなくなる可能性があるので注意です。

タクシーの運ちゃんがめっちゃ飛ばしてくれて間に合った
……とそんなこと書いてる僕こそ、高鐵と在来線の駅が離れていることを知らずに、バスを乗り過ごしそうになった人なんですけど。。
写真で確認していた嘉義駅前はもっと栄えてたのに、新幹線を降りてみると何もないんですよ……。駅前には森林鉄道の線路はもちろん、建物も何もない。米原駅かってくらいに何もない(失礼)。
なんか事前情報と違うなと思い、周りに尋ねてみようにも中国語がさっぱり話せません。途方に暮れて駅前を歩き周り、タクシー乗り場のスタッフに英語が話せる方がいたので聞いてみたところ「高鐵嘉義と嘉義駅は別物なんだよ!」と言われ、ここでようやく気付いたんです。
しかしこの時点で既に、バス出発の15分前……。もう間に合わないかと肩を落としていたら、スタッフさんが運転手に事情を説明してタクシーをカッ飛ばしてくれて、すんでのところバスに間に合いました。バスが動き出した所を追いかけて、ドアをバンバンと叩いたら乗せてくれたってぐらいにすんでのところでした。すんでのところオブザイヤーあげたいレベル。
しかし、人生でこれ以上ないってくらいスリリングな運転だった……BRTで30分かかるところを15分で走ってくれたんだから。「神風運転」がもし現代にも残っていたら、きっとああいうのを言うんだろうな……。
嘉義駅から奮起湖行き路線バスに乗るためには

BRTの発着するバスターミナル
さてさて、話を戻して。
高鐵嘉義駅からBRTに乗ると、嘉義駅東口のバスターミナルへ到着します。ただし奮起湖行きのバスが発着するのは西口になるため、跨線橋を渡って反対側へ向かいましょう。

上野駅を連想するシンプルな駅舎は日本統治時代に作られたもの
西口に渡ると、モダンな雰囲気の駅舎が姿を現します。まるで上野駅を彷彿させる、ちょっと日本的な装いじゃありませんか?それもそのはず、こちらは1933年に日本統治時代に建てられた建物なんです。
バスはこの駅舎の向かい側、タクシー乗り場をまたいで車道側のバス停から出発します。便名は7322便で、「阿里山線」と書かれた緑色のラッピングバスが目印です。

「阿里山線」と書かれたラッピングが目印
さて、阿里山方面の路線バスがやってきました。電光掲示板に「7322」と表記されていることを確認して乗車します。先述の様に、嘉義駅から奮起湖を経由する便はこの9:35発と12:05発の2本。また、高鉄嘉義駅からは11:00に奮起湖経由の路線バスが出るため、そちらを利用しても便利です。
ただし阿里山森林鉄道の下り列車に乗りたい場合は、嘉義駅12:05発のバスだと間に合わない可能性が高いので、嘉義駅9:35発、高鉄嘉義駅11:00発のバスを利用することをオススメします。

バスは現地の登山客でにぎわう
バス停は阿里山へ向かう多くの現地登山客でごった返していました。バスの運賃は240元、後払いで釣り銭箱に入れるシステムです。両替機などはないため、くれぐれもお釣りのないよう準備しておきましょう。
奮起湖観光には路線バスも便利だった

車内は広々とした印象
座席は4列で、台湾の中距離路線バスではスタンダードな配置です。このバス、山岳地帯に入ってもお構い無しで飛ばしまくります。というかこのバスに限らず台湾のバスは大抵ぶっ飛ばします。さっきのタクシードライバーといい、台湾の人たち運転うますぎないか??
崖っぷちでも急カーブでも全く速度を落とす気配がなく、遠心力を感じるたび死を覚悟するのですが、流石にベテランドライバー。なんの問題もなく無事(??)奮起湖へ到着しました。
森林鉄道の所要時間が2時間半程度なのに対して、バスは1時間40分ほどで結ぶので、このバスに乗れば9:00に嘉義駅を出発した上り列車を撮影することもできますよ。また、朝から昼にかけて比較的便数もあるのもポイントです。
是非、奮起湖観光の際は路線バスでの移動も検討してみてはいかがでしょう。
<TEXT/お雑煮>