台湾はサウナがアツい。台北「金年華三温暖」へ行ってきた

投稿日:2月 29, 2020 更新日:

世はサウナブームの真っ只中。

今や銭湯や健康ランドのサウナをはじめ、フィンランドサウナやテントサウナなど様々なサウナが世代を超えて愛されている。

金年華_ネオン

そんな“激アツ”のサウナ事情だが、この魅力は日本・北欧にとどまらない。なんと、日本から南へ2000km離れた台湾でもサウナが満喫できるのである。今回はそんな台湾サウナの中でも屈指の知名度を誇る、「金年華三温暖」へ行ってみた。

台湾サウナ「金年華三温暖」へ

台北_サウナ_外観

台湾で屈指の知名度を誇る健康ランド「金年三温暖」

「金年華三温暖」は台鉄・台北駅から徒歩15分ほど、天津街という小通りを北へ進むと見えてくる。

こちらは日本でいう健康ランドのようなもので、入場料600元(約2000円)を支払えばサウナ・大浴場・宿泊設備を12時間利用することができる。24時間営業のため、LCCの深夜便を利用して台北に到着したときの宿泊先にもなる。今回訪問したのも深夜3時ごろであったが、しっかり受付してくれた。

ただし残念なことに、金年華三温暖に入場できるのは男性のみ。

三温暖_入り口

サイバー感のある入り口。日本語表記も見られる

入り口はなかなかサイバーパンクな雰囲気だ。奥に煌々と輝く「金年華三温暖」のネオン。その下には滝が流れており、滝水はそのまま浴場の水風呂に落ちていく。

設備の清潔感はイマイチ。強いていえば、新宿歌舞伎町のTOHOシネマズ脇にある健康ランド「メンズサウナこり・こり」のようなものか。

僕は新宿で終電を飲み過ごしたとき、最終手段としてこり・こりに行く。カスタマカフェが満席で、テルマー湯が浴場メンテナンスで午前5時まで風呂に入れない……そんな退路を一切断たれてしまった時である。こういう時に入るこり・こりの大浴場は、泣きたくなるほど虚しい。鳥肌を立たせながら垢で濁った浴槽に浸かる。だだっ広い浴場でイスラム系のオッサンとふたりきり、TVに映る深夜のバラエティを見る。

……こり・こりのことはどうでも良い。ともあれサウナだ。サウナに入りたい。

サウナに薬草風呂……魅惑の大浴場

金年華三温暖_更衣室

フロントでロッカーキーを借りる

フロントで靴を預けると、脱衣所のロッカーキーを渡される。料金は後払い制だ。

台湾の健康ランドでは、休憩スペースへ向かうために必ず大浴場を通らなければならない。衣類を脱ぎ、貸しバスタオルとタオルを手にとり、いざ、浴場へ。

金年華_水風呂

入り口の滝が行き着く水風呂。滝というか、打ち水(画像提供:サウナシストさま)

浴場の中は広々としており、洗面所・大風呂・薬草風呂・水風呂(極寒浴・中温)・乾サウナ・スチームサウナ・アカスリといったバリエーション。

この浴場で最も大きい水風呂(中音)には、入り口の滝が打ち水となって落ちていた。

もちろん「三温暖」というだけありサウナが主役だが、薬草風呂もなかなかの極楽モノ。薬草を袋にこして、そのまま浴槽に浮かべているので、これまた効きそうな良い色をしている。

温度は38度くらいで程よいのだが、薬草の成分が骨の髄まで染み込み、全身が温まる感覚をしっかりと味わう。

漢方の匂いに包まれた乾燥サウナ

金年華_乾サウナ

メインのサウナは、芳醇な漢方の香りがする(画像提供:サウナシストさま)

さて、今回の訪問の目的である、乾燥サウナである。備えつきの給湯器で冷水を飲み干し、扉を開けると……ムワッと今まで感じたことのない香りが飛び込んできた。

なんだこれは?甘い香りが鼻腔をすり抜けて、喉元に漂う。この匂いは、漢方か……!

ふとサウナ室のストーブの方に目をやると、細長いゴロッとした漢方が一列に並べられているのが目に入った。これはたまらん。

サウナ自体の温度はさほど高くなく、恐らく70-80度といったところだろう。しかし、漢方の香りに包まれて良い塩梅に心地よい。床板がやたら熱いので、タオルを二枚重ねて着座する。

……漢方が、台湾の空気が、じんわりと身体に染みていく。午前4時過ぎ、室内のテレビでは中国語でニュースをやっている。来週から強力な台風が上陸するだの、香港デモが加熱しているだの、そんな事を言っている。

知らぬ言語の番組を聴き流しながら、頭が空っぽになっていく。日本のサウナでは味わえない、新しい快楽を見つけてしまった。

金年華三温暖名物のシングル「極寒浴」を堪能する

金年華_極寒浴

極寒浴はシベリア級の寒さ(画像提供:サウナシストさま)

サウナに入って12分ほど。身体中を火照らせて、金年華三温暖の名物(?)「極寒浴」に駆け込む。こちらは水温は8-9度台の、「シングル」と呼ばれる水風呂だ。

「冷たッ!!」

いざ浴槽に飛び込むと、キンキンに冷えた冷水に全身が固くなった。直ぐに脳内麻薬が駆け巡り、トランス状態へ。身体から生まれる情報量の多さに、一瞬何が起こっているのかわからなくなる。これはシベリア級の寒さだ。

しばらく水風呂の中で、脳内がチカチカと点滅しているのを感じ、再びサウナへ。こうして2度3度とサウナ・スチームサウナ→水風呂のルーティンを繰り返すと、疲れが一気に抜けてくる。サウナで得られる満足感は国境を超えても変わらないのだな。

大浴場を1時間ほど堪能し、休憩スペースで横になった頃にはすっかり全身が軽くなっていた。ふくらはぎが緩んで、ぷるぷると笑っている。背中が床に沈み込み、幸せな眠りにつく。おやすみ台湾、三温暖。

<TEXT/お雑煮>

「金年華三温暖」

中山區天津街56號 地下1F

24時間営業/定休日なし

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