えちごトキめき鉄道「筒石駅」。トンネルにホームがある理由とは

投稿日:12月 3, 2019 更新日:

トンネル内に駅ができた理由

筒石斜坑
同駅のメイン階段・筒石斜坑(下りから撮影)

 駅ホームへ分岐する小トンネルを抜けると、いよいよ同駅のメイン階段である筒石斜坑だ。地上までの214段はこの、トンネル建設時に使われた斜坑の一部を登っていく。時折吹き抜ける硫黄混じりの暖気に、何か迫っているような緊張を感じながら階段を踏みしめる。

 筒石駅はもともと地上駅であったが、同区間は地滑りが相次ぐため頸城トンネルを建設して地下区間化。筒石駅も頸城トンネル内に移設され、1969年、北陸本線の複線電化に合わせて現行の駅が開業した。

日本唯一の複線トンネル駅。是非訪問を

筒石駅_駅舎
駅舎はプレハブの簡単なもの

 214段の斜坑階段を登り終えると、ようやく駅舎が顔を見せる。駅舎はプレハブ作りの簡単なものだが、待合室やトイレなど一通りの設備は揃っている。

 ちなみに同様に斜坑を使ったトンネル駅としては、上越線・土合駅下り線ホームが有名であるが、こちらは単線。吉岡海底駅・竜飛海底駅が廃止された現在、複線のトンネル駅を堪能できるのは筒石駅だけだ。

 しかし駅から集落まで程遠く、駅舎に向かうためには急な坂道を登らなければならないため、お世辞にも利便性が良いとは言えない。現に、筒石駅の1日あたりの平均乗降者数は19人程度。近年ではほとんど観光用途の駅となっているようで、訪問時にも自動車で見学に訪れている人を見かけた。現在ではJRから移管して第三セクターが運営を行なっているため、維持費負担が増加していけば廃止も十分にありうる。気になる方は早いうちの訪問をおすすめしたい。

<TEXT/お雑煮>

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