企業価値が半減した「WeWork」。オフィスを訪問して気づいた意外な事実

投稿日:12月 2, 2019 更新日:

オフィス訪問で気付いた意外なこと

WeWork_看板
入居するビルのサインボード

 打ち合わせのために会議室へ移動する。WeWorkで最もコンパクトな契約体系である「プライベートオフィス」では、先ほどの共有ロビーと会議室を使うことができる。会議室は全ブースの通路面がガラス張りとなっており、事前に使用時間を指定して専用のICカードで解錠する仕組みだ。オフィスチェア・テーブル含めてモダンな内装で、洗練されている。

 ソフトバンクの赤字報道の印象から閑散としたオフィスを想像していたのだが、ロビー・会議室ともに想像以上に活気にあふれており、座席の8割以上が埋まっていた。これらの空間は、WeWorkが蓄積したデータやノウハウをもとに働きやすさを追求されたデザインなのだそう。まさにIoT。あらゆるコワーキングオフィスの中でも、とりわけ高水準の環境で仕事に専念することができるに違いない。

WeWorkが再び企業価値を高めるには

 ハイクオリティなオフィスであるだけに、WeWorkの企業価値が下がり続けているのは勿体ない。ソフトバンクが経営を握ってから間も無い10月21日、WeWorkの運営元・WeCompanyは全従業員の20%近くに上る2400人のリストラを発表。本格的な構造転換に乗り出した。これからはビジネスの集約化に徹底し、ソフト面を充実させていく方針だろう。

 機能性が十分に整っている現在、これからのWeWorkが求められているのはコワーキングオフィスを活用した新しいITサービスの構築だ。データをもとに空間設計を進めているとはいえ、利用者の付加価値にとどまってインパクトに乏しい。ITを掛け合わせて、賃貸オフィスの価値をどこまで更新し・普及することができるか。WeWorkの動向に目が離せない。

 <TEXT/お雑煮>

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