日本最大の遊郭「吉原」の現在。ソープランドの間に残る、江戸のおもかげ

投稿日:4月 5, 2020 更新日:

巨大ソープランド街・吉原の出現

東京夢物語看板が目に付く。周りは再開発されているようだ

3000人近くの遊女がいた吉原は、現在どのような街なのか。
以前、同じ風俗街として有名な千葉県の栄町散策した経験から比較すると、吉原は今もなお現役の繁華街。女性が不用意に立ち入ることが出来ない雰囲気がある。

なぜ、そう感じたかというと、散策した日が日曜日ということもあってか、黒塗りの高級車(たぶん送迎車と思われる)やタクシーがひっきりなしに往来してたこと。また、各お店の入口にはいかつい恰好をしたボーイが勧誘をしているからだ。散策しているだけで、常に高の視線を感じる街は初めてだ。

強引な散策は禁止されているため、危険なことは無いが、男性が一人で歩いていたら間違いなく勧誘されるだろう。

看板が立ち並ぶ裏通りの一枚

お店の名前を見渡すと、「信長」「大奥」などのように昔の雰囲気を醸し出しているお店も多い。

角海老本店。遠くからでも目立つ

中でも、吉原公園の近くにある「角海老本店」は、建物からして目を引く。遊郭時代最も格式の高いお店であった。しかし、江戸時代に構えていた角海老楼は、明治44年の大火で全焼してしまい、現在の位置に至る。

角海老の裏側

そのような歴史ある角海老は、角海老グループとして現在も首都圏各地に展開している。

本店とは別の場所にも看板だけ残る場所があった

喫茶の多い街

可愛い外装の喫茶

通りを歩いていると、やたらと喫茶と書かれたお店が目に付く。喫茶店だと休憩しようと思ったら、中から覗く、いかつい男性の姿が見えた。どうやらここは、他の場所でいう無料案内所。吉原時代の引手茶屋(ひきてぢゃや)の名残だろうか。


吉原大門と見返り柳で別れを惜しむ

吉原唯一の出入口であった、吉原大門は、現在は両側の柱を残すのみになっている。吉原には、大門以外にも囲むように柱が設置してあるので、当時の雰囲気を味わう事ができる。

その大門を抜けて、やけにカーブが急な五十間道に出遭う。表の土手通りから遊郭の中が見えないようにとの工夫だそうだ。確かに、これなら遊郭に向かう男性も恥ずかしくないかも。

土手通りには、ガソリンスタンドの角に一本の柳がある。これは見返り柳と呼ばれるもので、吉原帰りの客がこの場所で後ろ髪を引かれる思いに、名残惜しそうに振り返ったことに由来している。京都の島原遊郭の柳を模して作られたと書いてある。

観光スポットでもある吉原神社でお参り

最後に、遊女も通ったとされる吉原神社浅草名所七福神のひとつとされ、御朱印を集めている方には必見のスポット。

神社の入口にある逢初桜

また、境内には吉原の現代までの比較地図が掲示されており、現在の吉原のお店と比較するのも楽しい。今に残るお店も確認できた。地図は神社で売っているそう。

現在もなお、現役の風俗街として賑わいを見せる吉原。その陰に残る遊郭時代の名残が、私たちの胸になにかを訴えているようだ。

ー続くー

<TEXT/明里>

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